パラカレオって何ですか?

インタビュー 「パラカレオって何ですか?」

2020年CTCJのインテンシブセミナーでは、開拓者の妻たちのためのセミナー、パラカレオ(ギリシャ語で寄り添う)も同時開催されました。そこで日本でパラカレオの働きを紹介をしているグレイトリー詩子さんにお聞きしました。

  • まずは自己紹介からお願いします。

  • グレイトリー詩子といいます。グレイスシティーチャーチ名古屋の教会員で、夫はその教会の牧師です。18歳の長男と16歳の双子の三人の息子がいます。クリスチャンホームで育ち、高校卒業後海外に憧れて(「赤毛のアン」や「大草原の小さな家」が大好きで!)イギリスに語学留学しました。その後バイブルカレッジで学び、日本宣教の思いが与えられ、結婚後日本に帰国しました。四国、東京、名古屋と転居し気づけば19年! こんなに長く滞在することになるとは、特に夫は思ってなかったみたいです。(笑)

  • そうなんですね、ところでそもそもパラカレオって何ですか?

  • パラカレオは、アメリカで始まった教会開拓者の妻たちを支え、トレーニングするミニストリーです。日本では教会開拓者の妻だけでなく、牧師の妻も対象に活動しています。→パラカレオUS

  • 詩子さんがパラカレオに関わるようになったきっかけを教えてください。

  • 2015年にCTCAP(シティー・トゥー・シティー・アジアパシフィック)のインテンシブで並行して行われていたパラカレオのトレーニングに参加したことが始まりでした。それまでにも「女性のための」的なセミナーやカンファレンスに参加したことがありましたが、パラカレオほどイエスの福音の豊かさや美しさを思い出させてくれたものはありませんでした。私の個人的な歩みにおいては、神に愛された娘であることの自由を再び学んだ機会でした。

  • それで日本でもパラカレオを始められた?

  • 2015年のトレーニングに一緒に参加したパティ(木村)さんと翌年東京で二人で始めました。まずはこういう立場にある人たちが安心して集まれる場所をということで。それが次第に広がり、日本語グループが二つ、独身の女性のためのグループも始まりました。

  • グループでは具体的にどんなことをするんですか?

  • 最初にそのグループのお約束ごとをみんなで話し合い、それを毎回一緒に読んでから、それぞれの心にあることや近況について話します。折々に私がパラカレオのツールを提案しますが、自分の心や状況を思い、福音を思い出す作業をします。月二回程度の頻度で半年ごとに更新していくペースでした。

    その後、ベーシックコースというセミナーを対面、オンラインと開催しましたが、ガイドブックを使いながらツールを学び、自分に適用したりシェアしたり。本来は4~5日間、寝食共にし、静まりの時間、交わりの時間、ワークショップなど盛りだくさんのリトリートなのですが、日本ではそういう時間を取れる女性はなかなかいないので、日程や時間調整の工夫、文脈化が必要でした。

  • パラカレオのどんなところに魅力を感じましたか?

  • パラカレオに惹かれたことはいくつかありますが、まずはそのままの自分で来られる安心できる安全な場所、ということは大きかったですね。

    もう一つは、パラカレオにはシンプルで視覚的で覚えやすいツールがあることです。こんなにすばらしい良い知らせを神様が差し出してくれていてもその福音を忘れてしまうことがあります。思い出そうとしても心がもつれて見えなくなっている状態があります。そういう時に「ああ、そうだった!」と福音を思い出せるようなツールがたくさんあって、もっと日本の女性にもパラカレオを広めたい!と思いました。

  • 牧師や開拓者の妻として、ご自身の経験上、辛かったこと、嬉しかったことをそれぞれ教えてください。

  • 感謝なことに、開拓の時も今の教会でも、本当に人に恵まれてるんです。なので普段はすごく孤立してるとか、孤独だとかはないんだけど、大きな出来事が教会の中で起きてしまうと、牧師の妻であるという立場ゆえにやっぱりみんなが話すようには話せないことが出てきたり、ケアする立場であるがゆえに一緒に崩れていけないというか。それで、パラカレオに出会う少し前は本当に孤独を感じた出来事がありました。

  • 嬉しかったことはやっぱり誰かが初めてイエスさまと出会ったり、クリスチャンの人でも共に歩ませてもらってる中で、イエスとイエスのみわざを新たに知って、感じて、信頼していく瞬間に立ち合わせてもらえることです。これは今も変わりません。

  • 家庭と仕事とのバランスはどのようにとっていますか?

  • 実は全然バランス取れてないんです~。傾向としては仕事や教会の雑務をやり過ぎてしまうことが多くて、気づいたら家がぐちゃぐちゃとか、ご飯のおかずが美味しくないとか。そして、ハッと気付かされて、なんでこんなに心の負担を感じているんだろうとか、なんでこれを私は引き受けたのか、とか、心を探ってみると、やっぱりアンバランスな何かを発見して・・・みたいな。そして悔い改めて、イエスさまの義をすでに頂いているのだからと立ち上がって、自由の中を歩み、、、そして気づいたら、、また家が、、みたいなのを繰り返しています。(笑)

  • 自分自身のケアはどのようにされていますか?

  • 私もセルフケアがとても上手にできるわけではないんですが、大抵夫が私の働きすぎに気づくので、そういう時は、できるだけ聞こうとします。あとは日常ではお風呂で小説を読んだり、テレビ観て笑ったり、様々な問題にジリジリ焦点を当ててしまっている状態から、自分の人生を一歩下がったところから見られるようなことをするようにしています。

  • コロナ禍でご自身の仕事や家庭生活にどのような変化がありましたか?  それにどう対応していますか?

  • 狭いマンションに家族5人でいないといけなかった時はしんどかったです。料理が得意というタイプでもないので、たくさん食べる人たちにご飯を作るというのが結構なストレスでしたし、今でもそうです。コロナで、オンラインミーティングなどが多すぎた時には、目が痙攣したりしたことがあって(!)、やり過ぎだなと思いました。

  • パラカレオも、本当は秋にベーシックリトリートを開催したかったのですが、デルタ株の感染爆発でビビってしまい、計画を変えようかどうしようか迷ったことが響いてしまいました。告知が遅くなり、結局来年2月に延期になりました。

  • 良かったことは、人と会えないということで自分のスペースができたことと、オンラインで今まではコースに参加できなかった人も参加できたりしたことです。

  • いろいろなところを通ってこられたんですね。そんな詩子さんの座右の銘は?

  • 特にないんだけれど、、、「明日のことは明日が心配します。苦労はその日その日に十分、主の恵みとあわれみは朝ごとに新しい」、かなあ。

  • 今後、パラカレオについて、日本でどんな活動を計画していますか?

  • 2022年には、ベーシックリトリートを3か所で一回ずつと、その次のアロングサイド(寄り添うこと)というコースを一回予定しています。アロングサイドは、日本で日本語で提供するのは初めてになります。そうしながらグループリーダーになる人を育てていきたいと思っています。

  • 一旦区切った定期的なグループも再開していきたいと思っていますが、対面でやるのか、オンラインでするのか、自分のキャパシティーも考えながらやっていきたいと思っています。

    グレートリー詩子

    Utako Grateley

    プロフィール