「なぜシティカタリストに?」


「私はなぜシティカタリストになろうと思ったのか?」

この問いかけに答えることに長く時間がかかりました。その理由は私に“答え”がなかったのではなく、私に“キレイな答え”がなかったからです。


2017年に開拓4年目の教会から急遽招聘され、準備期間も少ない中で教会の責任者となった当時の私の心の叫びは「誰かに助けて欲しい」でした。



牧会の方向性、信徒との関係作り、地域に仕える方法、伝道の方法など、決まった答えのない問いについて祈りながら神様と共に決めていくことは楽しくもありつつも、同時に不安や恐れと多くのストレスとの戦いでした。



その後City To City Japanに関わる中でシティカタリストという話を聞き、福音を中心とした互いの宣教協力や励まし、助け合いのためのグループというアイディアを聞いた時、まず“私のために”それが必要だと強く感じました。


考えてみると、牧師が一生の間に開拓出来る教会はいくつあるのでしょうか? その中で牧師に蓄えられる知識や経験はどれくらいのものなのでしょうか? せっかく蓄えた知識や経験を他に伝える機会がないとしたら、日本宣教全体にどれくらいの損失になるのでしょうか? もし今の私が抱えている問題と同じような問題を既に経験している人と親密に協力し合えるなら、教会の成長や牧師にとってどれほど嬉しいことでしょう。


教会開拓とその成長に悩んでいた“私にとって”そんな寛容な協力者を見つけることは、畑で宝を見つけるような希望でした。私自身がCTCJを通してそのような協力者に出会い、牧会に励ましと協力をもらうことができました。その出会いによっていただいた励ましは、私だけのためではなく、私と同じような心の叫びを持っている方にも同じように伝えていかなければいけないと感じました。


この励ましを次の人に伝えていくために、私に何ができるのか? そのための一つの答えがシティカタリストになるということでした。教会開拓や成長を考える時、もっと積極的に多くの人に関わってもらうことができたなら、牧師だけでなく、信徒たちも励ましを受け、互いに愛し合うということを身近に体験することができると思います。特にこのクリスチャンの少ない日本において、他の教会のクリスチャンとの交流の機会が増えることは、牧師と教会が共に成長するために必要だと感じています。



現在の神奈川の状況は、福音中心の教会形成を目指す数人の牧師同士のコミュニケーションが始まったところです。まずは中心的なメンバーから「寛容に協力し合うとはどういうことか」を知り、模範となっていきたいです。そして私自身が「助けて欲しい」と言う声を気軽に投げかけてもらえる存在となれるように、またその声に注意深く耳を傾ける存在となれるように願っています。



過去に悩みがあり、今も悩みを持っているからこそ、主は私をこの道へと進ませてくださったと信じています。同じように悩みを持つ多くの方々が、神奈川でのつながりを通して悩みを乗り越えて、新しいつながりを作るHUB(変化の中心)へと変えられていくことを、主に期待いたします。

著者:吉村博史 

厚木希望キリスト教会牧師。CTCJシティカタリスト(神奈川)。物理学を学んでいた大学時代に福音を信じ、大学院時代(ナノ科学専攻)に献身を祈り、大学院博士課程を単位満期取得後退学して教団立の神学校JMTS(日本宣教神学院)に入学。2013年に卒業後、母教会(KPCA横浜キリスト教会)での奉仕を経て、2017年4月から厚木希望キリスト教会に赴任。趣味はボードゲームと筋トレ。好きなスポーツは大学時代に経験したアメリカンフットボール。最愛の妻と可愛い長男、長女の4人家族。教会のリンクは→こちらをクリック