信仰と仕事

light project​​​​​​(https://lightproject.jp/)は​​、働くクリスチャンが「信仰と仕事」を統合し、仕事を通して、職場でイエスの光(Light)を輝かせるために、励まし、訓練することを目的とした団体です。CTCJとはパートナーシップ関係にあり、教会開拓関係者も参加しています。今回は2022年インテンシブ参加者の橘ひろ子さんに、light projectオンラインコース受講経験についてインタビューしました。


ー自己紹介をお願いします。

京都にあるHis Presence Churchの牧師の妻の橘ひろ子です。

小学生の頃から教会に通い、中学生の時洗礼を受けました。長い信徒生活の後、4年半前に夫が牧師になり夫婦で教会開拓を始めました。2023年6月から100%カフェ100%チャーチというコンセプトでカフェ&チャーチを運営しています。私の仕事は主にカフェのマネージメントです。


ーlight project コース受講のきっかけは?

2022年の秋にlight project創設者の方と出会い、「信仰と仕事」というコースがあることを知りました。2023年6月から私たちの教会がカフェを運営することになり、飲食店経営の経験も人を雇ったこともなく、コーヒーについても門外漢の自分がマネージャーとして働くことになりました。それまでの教会のリーダーという働きと、新しいカフェ&チャーチの枠組みの中での働きを、どのように両立させればいいのか不安になり、自分にこそこのコースが必要だと強く感じ受講することにしました。



ー実際に受講されていかがでしたか?

まず気づいたのは、それまで聖書から仕事に焦点を当てて考えてみたことがなかったことです。教会ではよく牧師やフルタイムミニストリーへの道に歩み出す人たちを祝福することはありましたが、それ以外の仕事に就職する場合、同じような見方はなかったと思います。ですから創世記の最初で神様は仕事(つまり創造の業)をされた、そしてそれを良しとされた、と講義で聞いた時に感動しました。そしてまた、他の参加者のみなさんが葛藤を覚えながら、職場でクリスチャンとして何とか頑張ろうとしておられる姿に励ましを受けました。



ー受講して感じた変化は?

大きく分けて2つあります。

①カフェでは宣教ということを中心にクリスチャンとノンクリスチャンが一緒に働いています。しかし普通にカフェとして運営しているので、スキルも重要です。ラテアートが出来るか。調理がどの程度できるか、テキパキ動けるか、飲食店で働いた経験があるか。そういうことから、私の中でスタッフを、仕事が出来る人と出来ない人、あるいは任せられる人と任せられない人、という目、いわゆる二元論的な見方で見るようになっていました。しかしこのコースで「仕事は祈りです」と聞いた時、私の中で大きな変革が起こりました。「そうだ! 私が全てをうまく進めていくことなど不可能だ。でもイエス様がオーナーなんだから、私は何でもイエス様に持って行こう。不安が襲ってきたら祈る、これが私にとっての仕事だ」と思えるようになりました。状況はそれほど変わらなくても、私のとらえ方が以前とは変わったのだと思います。



②4年半前に教会が始まってから私は牧師の妻という立場から、「優しい愛のある牧師夫人」を演じるようになっていました。自分では演じているつもりはなかったのですが、理想的な牧師夫人のイメージを追っていたのかもしれません。しかしカフェのマネージャーとしてスタッフに苦言を呈さないといけない場面、正直イライラしてしまう場面も実にたくさんありました。すると私の中で「優しい愛のある牧師夫人」と「カフェマネージャー」として働くことに整合性が持てなくなってきました。要するに優しい愛のある牧師夫人という振りができなくなってきたのです。

 その時に示されたのは、「主は私をそのままで受け留めてくださっているのだから、私は振りをする必要はない、私らしさを持って福音中心にやって行けば良い」という方向性でした。この2つが私の中での大きな変化でした。



ー信仰と仕事について周りにどのように分かち合いたいですか?

信仰と仕事を分けて考える、あるいは信仰vs仕事という風に考えている人が多いのではないかと思います。むしろ、仕事を通して信仰を実践できる、光となることができるということを共有したいと思います。



先ほど話したように仕事ができる人、できない人というとらえ方は経営上大切ですが、私たちは100%チャーチ100%カフェとして、来てくださった方に「来てよかった、また来たい」と思っていただくのが一番の願いです。カフェのスタッフにはクリスチャンもノンクリスチャンもいて、接客経験豊富でラテアートなど仕事がテキパキできる人もいます。ですが、先日クリスチャンのスタッフが外国からのお客様に京都の観光情報を提供して差し上げたら、後日帰国したそのお客様からお礼のお手紙が来たんです。どちらかと言うと事務的な仕事が向いているスタッフなのですが、彼女の親切で丁寧な対応が生かされたんだと驚きました。

神様はそれぞれの持っている良いものを使ってくださるんだなと思いました。

不思議なことにスキルの高いスタッフが入っている時より、クリスチャンのスタッフが入っているシフトの方が売上がいいんですよ。『あー、ここは宣教カフェなんだ』と思いました。私の仕事に対するとらえ方が変わるきっかけになった経験の1つです」



ーどんな人に受講を勧めたいですか?

仕事をしている全ての人、仕事で悩んでいる人、クリスチャンとして働くことに葛藤を覚えている人です。有給でも無給でも、あるいはミニストリーでも他の分野でも、神様から与えられた仕事を通して信仰に生きていくことを考えられるよい機会だと思います。

著者:橘 ひろ子 

Hiroko Tachibana

京都市中心部でHis Presence Church(https://www.hispresencechurchkyoto.com/about-us)を、夫とともに開拓して4年目。京都生まれの京都育ち。いけず心を仕舞込み、日々イエス・キリストを証する者としての使命を果たさんと奮闘中。好きなみことばは詩篇121篇。